美肌に欠かせないといわれるビタミンC!!
必要だとは知っていますが、クエン酸と同じもの?アスコルビン酸とは?と聞かれると明確に答えられなかったり…
そんなビタミンCについて今回は調べてみました。
ビタミンC、アスコルビン酸、クエン酸
ビタミンC、アスコルビン酸、クエン酸、その違いについて見てみましょう。
- ビタミンC: ビタミンCは水溶性ビタミンで、主に抗酸化剤としての役割を果たします。これは、体内でフリーラジカルと呼ばれる有害な化合物を中和する効果があります。ビタミンCはまた、コラーゲンの生成に重要で、これは皮膚、骨、筋肉、靱帯の健康に不可欠です。さらに、ビタミンCは免疫機能の強化にも寄与します。ビタミンCは柑橘類、キウイ、パパイヤ、パイナップル、いちご、トマト、ブロッコリー、スピナチなどの食品に豊富に含まれています。
- アスコルビン酸: アスコルビン酸はビタミンCの別名で、その化学的構造と働きはビタミンCと同じです。つまり、アスコルビン酸とビタミンCは同一物質を指します。
- クエン酸: クエン酸は、私たちの体内でエネルギーを生成するために不可欠なクエン酸サイクル(またはTCAサイクル、クレブスサイクルとも呼ばれる)の主要な成分です。クエン酸はまた、食品や飲料に酸味を与えるために広く使用される食品添加物でもあります。
ビタミンC(またはアスコルビン酸)とクエン酸は、特定の条件下で相乗効果を持つことがあります。例えば、鉄の吸収を高めるためには、鉄を含む食品とビタミンCを一緒に摂取することが推奨されます。ビタミンCは鉄の吸収を助け、クエン酸も鉄の吸収を助ける可能性があります。
クエン酸についてはまた詳しく掘り下げるとして、今回はビタミンCについて掘り下げてみますね。
ビタミンCとビタミンC誘導体の違い
化粧品のCM等でよく耳にするビタミンC誘導体とはどんなものなのでしょう?ビタミンCとの違いを見てみましょう。
1.ビタミンC誘導体が使われる理由
ビタミンC誘導体とは、ビタミンCを基にした化合物のことを指します。これらは通常、ビタミンCの化学的構造を変更して安定性を向上させたり、特定の作用を強化したりします。
ビタミンC(アスコルビン酸)は抗酸化物質として機能し、体内のフリーラジカル(細胞を損傷させる不安定な分子)を中和します。また、コラーゲンの生成を助け、免疫系を強化し、色素沈着抑制効果、鉄の吸収を促進するなど、他の多くの重要な体内プロセスにも関与しますが、そのままでは不安定であり長期間保存する化粧品への使用には向きません。
ビタミンC(アスコルビン酸)は、その化学的な性質から水溶性のビタミンに分類されます。これはビタミンCが水に溶けやすいという特性を意味します。この特性により、ビタミンCは体内の水分と一緒にすぐに吸収され、使われずに排泄される可能性もあります。
また、ビタミンCは酸化還元反応に関与する性質を持っています。つまり、ビタミンCは他の化学物質から電子を受け取る(還元作用)能力があり、同時に自身が酸化されます。このため、ビタミンCは抗酸化物質として働き、体内のフリーラジカルを中和する役割を果たします。
しかしながら、この還元性のためにビタミンCは空気中の酸素や光に対して非常に不安定であり、容易に酸化・分解してしまいます。化粧品に含まれるビタミンCが保存状態や使用中に酸化してしまうと、その有用性は低下します。
また、ビタミンCの皮膚への浸透性は低いとされています。これは、ビタミンCが極性を持つ水溶性の化合物であるため、皮膚の脂質の層を通過するのが難しいからです。そのため、化粧品として局所に適用した場合でも、ビタミンCが皮膚の深層まで達するのは困難です。
これらの問題を解決するために、ビタミンC誘導体が開発されました。ビタミンC誘導体はビタミンCの化学的構造を改変し、安定性を向上させ、皮膚への浸透性を高めるように設計されています。それらが皮膚の深層に浸透した後でビタミンCに変換され、ビタミンCと同様の抗酸化作用などの効果を発揮します。
2.ビタミンC誘導体の種類
ビタミンC誘導体には以下のようなものがあります
- L-アスコルビン酸 2-リン酸エステルナトリウム(SAP):ビタミンCをリン酸化することで安定性を向上させ、皮膚に浸透しやすくしたものです。皮膚への適用により、抗酸化作用、メラニン生成抑制作用、コラーゲン生成促進作用など、ビタミンCと同様の作用を発揮します。
- マグネシウム-L-アスコルビン酸-2リン酸(MAP):これもビタミンCのリン酸化誘導体で、抗酸化作用、メラニン生成抑制作用、コラーゲン生成促進作用などがあります。SAPと比較して皮膚への浸透性が高く、刺激も少ないとされています。
- アスコルビルグルコシド(AA-2G):ビタミンCにグルコースを結合させて作られる誘導体で、ビタミンCより安定性が高く、皮膚に対する刺激も少ないです。皮膚に浸透した後でビタミンCに変換され、ビタミンCと同様の作用を発揮します。
以上のように、ビタミンC誘導体はビタミンCと異なる特性を持つもので、それぞれが持つ特性により、異なる製品や用途に利用されます。
3.ビタミンC誘導体の用途
ビタミンC誘導体はその安定性と皮膚への浸透性の向上のために特に化粧品に頻繁に使用されます。
ビタミンC自体は水溶性であるため、皮膚への浸透性が低く、また光や熱によって容易に酸化してしまうという問題があります。そのため、化粧品として使用する際には、これらの問題を解決するためにビタミンC誘導体が利用されます。ビタミンC誘導体は安定性が高く、皮膚に浸透しやすい特性を持つため、スキンケア製品、美白製品、エイジングケア製品など、さまざまな化粧品に添加されています。
一方で、食品に添加されることもありますが、ビタミンC自体が普通に食事から摂取できる栄養素であるため、ビタミンC誘導体が特に食品に使用されることは少ないです。ただし、ビタミンCを補う目的でサプリメントとして摂取する際には、ビタミンC誘導体が利用されることもあります。
それでは一旦ビタミンCについて話を戻しましょう。
ビタミンCの摂取
特定の栄養素がビタミンCの消費を増加させるとは一般的には考えられていませんが、ストレスや病気、喫煙などはビタミンCの必要量を増加させる可能性があります。
1・ビタミンCの必要量
ビタミンCは水溶性ビタミンなので、体は大量に蓄えることができません。したがって、ビタミンCは毎日摂取する必要があり、特定の時間にビタミンCを摂取することが特に有益であるというエビデンスはありませんが、吸収を最大化するために食事と一緒に摂取することが推奨されます。一日の間で何度かに分けて摂取するのが良いとされています。
推奨される摂取量は1日に約100mg前後です。ただし、この量は個々の健康状態やライフスタイルにより異なる場合があります。
一日あたりの上限摂取量は、ビタミンCを摂取しすぎて起こり得る副作用(例えば下痢や胃の不快感)を避けるための上限です。ビタミンCの場合、一日あたり2000mgが上限摂取量とされていますが、一日の摂取量が1000㎎を超えると吸収率は50%以下に下がるといわれています。
ビタミンCは水溶性のビタミンなので、過剰な分は尿と一緒に排泄されます。しかし、一度に大量に摂取すると、胃腸系に負担をかけ、下痢や胃の不快感などの副作用を引き起こす可能性があります。
また、長期間にわたって高量のビタミンCを摂取すると、腎結石のリスクが増えるとの報告もあり、長期間にわたる高量摂取については注意が必要です。
2.ストレス、病気、喫煙におけるビタミンC
ビタミンCは、体内で生成されないため、食事などから常に摂取する必要があります。ストレス、病気、喫煙といった状況では、体内でビタミンCが消費される速度が増加するため、ビタミンCの必要量が増えると考えられています。
- ストレス: ストレス反応時には、身体がストレスを緩和するためにビタミンCを大量に利用します。ビタミンCはアドレナリン(ストレスホルモン)の生成に必要な栄養素であり、また抗酸化物質として身体の酸化ストレスを軽減する役割もあります。
- 病気: 特に感染症や炎症の際、免疫応答の一部として抗酸化物質の必要量が増えます。ビタミンCはその一部を担っています。また、ビタミンCは白血球(特に好中球とリンパ球)の機能を助けると言われています。
- 喫煙: 喫煙は体内での酸化ストレスを増加させます。これは、タバコの煙にはフリーラジカルと呼ばれる化学物質が含まれているためです。これらは体内のビタミンCを酸化し、不活性化します。また、喫煙は体内でビタミンCが吸収・利用される効率を低下させるとも言われています。
以上のような理由から、ストレスや病気、喫煙をしている人は通常よりも多くのビタミンCを必要とすることがあります。
その場合も上に書いた上限摂取量は変わりません。
3.ビタミンCと他の栄養素
ビタミンCの吸収に直接必要となる特定の栄養素は、現在のところ特に知られていません。ビタミンCは水溶性で、小腸で直接吸収される特性があります。
ただし、ビタミンCは特定の栄養素の吸収に影響を及ぼすことが知られています。例えば、非ヘム鉄(植物由来の鉄)の吸収はビタミンCと一緒に摂取することで促進されます。これは、ビタミンCが非ヘム鉄をより吸収しやすい形に変換するためです。
逆に、一部の研究ではビタミンCがビタミンB12の吸収を妨げる可能性が示されていますが、この影響はビタミンCを大量に摂取した場合に限られ、日常的な摂取量では問題となることは少ないとされています。
ビタミンCの皮膚への作用
1.ビタミンCの皮膚への役割
ビタミンC(アスコルビン酸)は皮膚の健康に対して多くの重要な役割を果たします。以下にその主な作用機序をアンチエイジングの観点からもご紹介します。
- コラーゲンの生成: ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠です。コラーゲンは皮膚の主要な構造タンパク質で、皮膚の弾力性と強度を維持する役割を果たします。歳を重ねると自然にコラーゲンの生成が減少し、これがシワやたるみの主な原因となります。ビタミンCの摂取やトピカル(局所的)使用はコラーゲンの生成を促し、これにより肌の若さと弾力性を保つことができます。
- 抗酸化作用: ビタミンCは強力な抗酸化剤であり、フリーラジカル(活性酸素)による損傷を防ぐ役割を果たします。フリーラジカルは環境的な要因(例えば紫外線や汚染物質)によって生成され、皮膚の老化を促進します。ビタミンCはこれらのフリーラジカルを中和し、その結果、皮膚の細胞を保護します。
- 肌の明るさの改善: ビタミンCは皮膚の明るさを改善する能力があります。これはメラニンという色素の生成を調節する能力によるものです。メラニンは紫外線によるダメージから皮膚を保護する一方、過剰に生成されるとシミや色素沈着を引き起こします。ビタミンCはメラニン生成の調節に関与し、その結果、肌の明るさと均一性を改善します。
- 炎症反応の軽減: ビタミンCは皮膚の炎症反応を軽減する効果もあります。これは、ニキビやロゼアセアなどの炎症性皮膚疾患の症状を和らげるのに役立つ可能性があります。
これらの理由から、ビタミンCは多くのスキンケア製品やサプリメントに含まれており、その摂取は皮膚の健康とアンチエイジングに対する良好な影響を提供することが期待されています。ただし、ビタミンCの吸収と効果は個々の生活習慣や体質、遺伝的要素などにも影響されるため、全ての人に同じ効果が見られるわけではありません。また、ビタミンC製品を選ぶ際は製品の種類(純粋なアスコルビン酸、ビタミンC誘導体など)、濃度、pH値、包装(空気と光から保護されているか)などに注意することが重要です。
2.ビタミンCの光への注意
ビタミンCを化粧品などで肌に直接塗布される場合、その安定性は問題になることがあります。
ビタミンCは光や熱によって酸化しやすく、酸化すると効力が減少します。このため、ビタミンCを含む化粧品は暗所や冷蔵庫で保管されることが推奨されることがあります。また、ビタミンCを肌に直接塗布した後に日光を浴びるとシミ、ソバカスの原因になるといわれています。
この問題を解決するために、化粧品にはビタミンC誘導体が使用されることもあります。
ビタミンCとエストロゲン
ビタミンCとエストロゲン(主に女性ホルモンとして知られる一群のホルモン)との間には、いくつかの相互作用があります。
- ビタミンCとエストロゲン: ビタミンCはエストロゲンの合成に関与しています。エストロゲンの生成はアドレナリン(ストレスホルモン)が作用しているため、ビタミンCのアドレナリン生成への関与の影響がエストロゲンの生成にも影響を及ぼすと考えられています。
- エストロゲンと抗酸化作用: エストロゲン自体が強力な抗酸化作用を持っています。このため、エストロゲンのレベルが高い時(例えば、月経周期の一部や妊娠中)には、ビタミンCの抗酸化作用が強化される可能性があります。
- エストロゲンとコラーゲンの生成: エストロゲンはコラーゲンの生成を促進します。コラーゲンは皮膚の主要な構造タンパク質であり、ビタミンCもこの生成を促進します。そのため、ビタミンCとエストロゲンの両方が皮膚の弾力性と若々しさを維持するのに重要であると言えます。
- ビタミンCとホルモン療法: 一部の研究では、ビタミンCがエストロゲンによる副作用を軽減する可能性が示されています。特に、閉経後の女性がエストロゲン補充療法を受けている場合、ビタミンCはエストロゲンによる血栓形成のリスクを減らす可能性があります。ただし、これはまだ十分に研究が進んでいないため、結論を出すにはさらなる研究が必要です。
これらの相互作用により、ビタミンCとエストロゲンは体内で相互に作用し合い、健康に影響を及ぼす可能性があります。しかし、これらの関係は非常に複雑で、他の多くの因子(遺伝、体質、ライフスタイル、食事など)も関与するため、個々の効果は人により大きく異なる可能性があります。
高濃度ビタミンC点滴
ビタミンC点滴療法は、高濃度のビタミンCを静脈内に直接注入し、血中のビタミン濃度を高める方法で、一部の人々が免疫力の向上、抗酸化作用、エネルギーの向上、美容効果(皮膚の健康の促進など)を目指して行っています。
また、一部の研究では、高濃度のビタミンCがガン治療の補助として有用である可能性が示されていますが、肝臓疾患や糖尿病、甲状腺の病気、心不全等の疾患がある人は注意が必要とされておりいます。
ビタミンCは水溶性ビタミンであり、過剰なビタミンCは通常、尿と一緒に排出されます。しかし、大量のビタミンCを摂取すると、一部の人々には副作用が出る可能性があります。これらの副作用には、下痢、吐き気、腹痛などの消化器症状が含まれます。
さらに、大量のビタミンCを頻繁に摂取すると、一部の人々では腎結石のリスクが増加する可能性があります。これは、ビタミンCが酸化されて尿酸に変わり、これが結石を形成する可能性があるからです。
私は体験したことがないので、高濃度ビタミンC点滴の有効性と安全性についてはわかりかねますが、検討される場合は、必ず医療専門家と相談してください。それぞれの人の健康状態やニーズにより、そのリスクと利益は異なる可能性があります。

以上、ビタミンCについてまとめてみました。
くれぐれもご自身の健康状態に合わせて自己責任で、または専門家にご相談の上、安全に効率的に取り入れてみてくださいね。


コメント